Mining turquoise in Bisbee Part Ⅰ

 ビズビー鉱山の中に入ってみたい   470 54カラム

とは言うものの、簡単には中へは入れない。

とある日、ディネ族(現ナバホ族)の相方から一通のメールが届いた。

「ヘイ!何やってんだ?ビズビー鉱山に行かねえか?」

「え?! 何!? 行く! 行く行く! ところで入れるのか?」

「分かんねえ。多分な。 行ってみるしかねえ。」


 「分かった。 お前にかけるよ。」

仕事の予定を全てクリアにし、航空券の手配をした。

先ずは一路アリゾナへ。


久しぶりの灼熱地獄。

懐かしい風が吹く。

いつも通り相方は予定時間には来ない。

インディアンタイムだ。

奴の車が見える。

Yo! きょーでー! 久しぶりだな! 元気か?」


リアシートにはネヴァダのターコイズ鉱山発掘の旅を共にした友人がいた。

Hey! 会いたかったぜきょーでー!」

ターコイズ鉱山発掘メンバーが偶然にも顔を合わせた。

さあビズビーに向けて出発だ!

わくわくが止まらない。


ターコイズ鉱山発掘記

アリゾナの長く一直線の道をひた走る。

走っても走ってもなかなか着かない。

途中アリゾナらしいメキシカンフードレストランに立ち寄って腹ごしらえ。

やっぱり量が多いんだよな。

でもうれしい限りだ。


ターコイズ鉱山発掘記

食事を終えまた南へと進む。

途中違法移民対策の検問を通る。

ミラーを使って車体の下までもチェックされる。

 


日が暮れてしまった。

街灯もなくヘッドライトだけが頼りだ。

前後左右は真っ暗闇。

どこに何があるか、どこにいるのかも分からない。

もう山の中なのか?

いや、道は平坦だ。


ターコイズ鉱山発掘記

信じてひたすら南へと進む。

やがて遠くの方に街灯らしき明かりが見える。

町に近づいているのか。

徐々に街灯が増えてきた。

町に近づいているようだ。

少し安心。


ターコイズ鉱山発掘記

暗闇の中に山らしきシルエットが見えてきた。

いよいよ鉱山か?

暗くて全体が見えてこない。

すると山のてっぺんにBISBEEの文字が光って見えた。

BISBEEの文字を見るだけで気が高まってくる。

いよいよか。

 


ターコイズ鉱山発掘記

早くも戦闘態勢への意気が高まる。

徐々に街灯が増え始めた。いよいよビズビーの町へ入る。

町入り宿泊先を探す。

小さな田舎町だ。

中心地らしき場所に着く。

古そうだがきれいな外観の建物が目の前に立つ。


ターコイズ鉱山発掘記

ここが今日の宿泊先か。

中に入ると映画の世界かと思うほどクラシックなアーリーアメリカンの世界が広がる。

アメリカの古い田舎町にありそうな、またそのイメージを超えるようなホテルだ。

螺旋階段に鉄格子付きのエレベーター。


ターコイズ鉱山発掘記

エレベーターは現役だ。

鉄格子を開けエレベーターの中に入る。

扉からボタンまでクラシックだ。

Made in USAの良さが光る。

3解に到着。

チーン!というこれまたクラシックなベルの音が鳴る。


ターコイズ鉱山発掘記

目の前に広がるカーペット、これも期待を裏切らないクラシックな文様。

部屋の前に到着。

右隣の部屋を見ると何か書いてある。

Ghost……

幽霊!?


ターコイズ鉱山発掘記

なんだ!?

よく読まずにとりあえず中に入る。

もちろん部屋の中もクラシック。

とことん期待を裏切らない。

ポタン、ポタン。

水が垂れる音だろうか。

 


ターコイズ鉱山発掘記

バスルームの方から聞こえてくる。

そういえばさっき、Ghost……とかあったな。

いやだなぁと思いながら想像を膨らませてバスルームを覗く。

ただの水漏れだ、

と信じたい。

1階のバーで皆と待ち合わせていたな。

 


荷物を置いて部屋を出る。

何もわからないまま明日の作戦を練る

明日どうなるかな。

ま、明日の風に任せるか。

いつになく早々に切り上げ床に就く。

期待していなかったけど危惧していた相方のいびきで眠れない。


体力を考慮し無理にでも眠りにつこうとした。

期待していなかった鳥のさえずりで目が覚める

朝らしい朝だ。

ホテルの館内を散策する。

2階の踊り場にテーブルがあり、マフィンとオレンジ、コーヒーなどが


ターコイズ鉱山発掘記

並んでいた。

大体ホテルの朝食にはマフィンがつきものだ。

オレンジとコーヒーを手に取り外の景色が見える方へと向かう。

外壁一面のテラスが広がる。

昨夜は見えなかった景色が目の前に広がる。

目の前には図書館のようなクラシックなレンガ造りの建物と小さな山が


ターコイズ鉱山発掘記

見える。

5月だからか暑くもなく寒くもなく、湿度も低く快適な朝だ。

インディアンの相方も珍しく起きていた。

準備して朝食を取りにこれからレストランに向かうと言う。

車を走らせレストランへと向かう。

暗闇で見えなかったビズビーの街が広がる。


ターコイズ鉱山発掘記

まるで古い映画の中にいるようだ。

小さな野球場、ベーブ・ルースでも出てきそうなクラシックなフィールドだ。

街の中心地から外れたところに小さな店が立ち並ぶ。

 


ターコイズ鉱山発掘記

Indian motor cycleHerley Davidson、クラシックなバイクを店先のショーウィンドウに展示している店もある。

ガソリンスタンド一つ取ってもおしゃれに見える。

これまた映画の中に出てきそうなダイニングカフェに到着。

朝なのに? 朝だからか? 田舎町だからか?

小さい街だからレストランが少ないからか、ここがうまいからか。


ターコイズ鉱山発掘記

店内は混雑していた。

アメリカ南部で一般的なメキシカンなアメリカンミールを選ぶ。

味はまずまず。

量は満足。

会計のところで売っていたTシャツが気に入り数枚購入。

小さなグロサリーストアで水を買いいよいよ鉱山へと向かう。

 


ターコイズ鉱山発掘記

しばらく車を走らせると、その姿は意外にもすぐに現れた。

写真で何回も見たサクラメントピットだ。

実際に見るとその大きさがわかる。

ブルドーザーが小さく見える。

採掘された跡地は乾燥したラベンダー色だ。

こんなにも深く大きな穴だとは想像はしていたけれども実物を見ないと


ターコイズ鉱山発掘記

わからない世界観だ。

車で半周するにも数分間かかる。

半周したところで道を外れ鉱山の入り口らしきところに到着した。

意外にも街から近くに鉱山の入り口があった。

ネバダのターコイズ鉱山は近くの街から数日かかったのでそのイメージを持っていたからか。

 


ターコイズ鉱山発掘記

 鉱山で働く鉱夫ののためにできた街だからか。

近くにあるのは歓迎だ。

だだっ広い敷地の中にポツンとある小さな扉を開く。

無駄に広すぎるトイレ。

アメリカあるあるだ。

違う扉の向こうに現場の責任者らしき人がいる。


ターコイズ鉱山発掘記

相方と友人が話を進めている。

これにサインをしてくれと。

入山にあたっての誓約書のサインだ。

事なきを得ていよいよ鉱山の内部へ。

創造と異なる鉱山の内部。

ポイントに着くまで数分車を走らせる。


ターコイズ鉱山発掘記

 広大な敷地だ。

いくつもの山がある中でとある整備されたところへ案内された。

ごつごつとした岩がごろごろとある。

地平線が見えるようなだだっ広い土地。

ここが一つのピットだ。

この中から青い一粒を見つけるのか。途方に暮れるよりもワクワクの方


ターコイズ鉱山発掘記

が勝る。

準備をして採掘、と言うより採集作業に入る。

どこから手を付けてよいかわからないが手あたり次第掘る。

掘る。

掘る。

どこを掘ってもどんなに掘っても青い石は出てこない。


ターコイズ鉱山発掘記

どこに埋まっているんだ。

目印はない。

運と勘だけが頼りだ。

湖の中にいるたった1匹のブラックバスを釣るような感覚で途方もない作業だ。

でも、それが心地良い。

 


釣りを楽しむ方なら共感できるであろう。

あまりにも出てこないので天を仰ぐ。

いつしか絶望感に苛まれたとき、目線の先に青く光るものが見えた。

間違いない!

ターコイズだ!

この調子で行けば! 


と思ったのもつかの間それ以降なかなか見つからずその日を終えた。

腹ごしらえをしにレストランへ向かう。

作戦会議をするが、作戦も何もあったもんじゃない。

完全に運と勘の勝負。

 

食事を終え飲みに行こうと相方が席を立つ。

またバーか。


十数年前の嫌な思い出が頭をよぎる。

酔っぱらった相方がサンタフェのバーで大暴れして通報さ逃げ回った。

地元の人たちで集っていそうなバーに到着し、ビリヤード台をテーブルにする。

地元の人と思われる客に話を聞いてみる。

ターコイズを探しに来たんだけと何か知らないか。

 


 

あー、いろいろ聞いたことがあるが興味ねーな。

酒なら興味があるけど。

地元の人たちはターコイズに関しては興味がないようだ。

あまりの情報層の薄さに飽きてしまう。

 

やはり運と勘の勝負なんだと改めて認識する。

その日は珍しく早々と寝床に戻り明日の作業に備えた。


2日目。

昨日と同じく同じ場所で朝食を取り鉱山へと向かった。

今日こそはと意気込んで作業に入る。

出ない。

出てこない。

 

本当に埋まっているのかと疑うように何も出てこない。


午前が過ぎあまりにも何も出てこないので半ば投げやりになり、足元の岩をピッケルでたたいた。

すると、岩が欠け青い表情が見えた。

ターコイズか!

かけらを舐めてみる。

クリソコラだ。

 

その後どこをどれだけ掘っても何も出てこなかった。


今回入山を許されたのは2日間だけ。

時間が迫りあきらめざるを得なかった。

また戻ってくるからな。

という思いを残して鉱山を去った。

 

PartⅡへと続く

 


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